第3章 香港大会
「さすが、ジス。」
「やっと一勝。ユジョンにようやく追いついた感じだ。」
「相変わらず、謙虚なジス先生(笑)」
「美鈴(メイリン)茶化すなよ。」
二人は興奮冷めやらぬ感じで話して泊っているホテルに向かった。
今回の大会は、香港の大企業英皇公司が主催で、参加者が宿泊すホテルも全て主催者用意しており、普段泊れるようなところではないホテルだった。
「ここのホテル、三ツ星のホテルだよね。さすが、英皇公司!ここも系列のホテルだし。」
「美鈴(メイリン)、めっちゃキラキラした目で眺めてるな(笑)」
「そりゃそうよ、一生に一度泊れるかってホテルよ。」
「確かになあ。」
「ジス、フロントでカードキーもらわないと。」
「そうだな。」
ホテルの支配人らしき人が二人に声をかける。
「橘 美鈴様と、キム・ジス様ですか?」
二人:「はい。そうですが。」
美鈴(メイリン):「何でしょうか?」
支配人:「私、当ホテルの支配人の謝 思远(ツェー・スーユアン)と申します。お二人をお連れするようにある方より賜っております。」
二人は顔を見合わせる。
ジス:「誰です?」
支配人:「コンベンションセンター近くで助けていただいた方と申せば、ご理解いただけますか?」
美鈴(メイリン):「あの時の女性の方ですか?」
支配人:「きちんとお礼をできなかったと賜っております。」
「ご案内いたします。お部屋の方までお願いできますか?」
断ることもなかったので、二人は支配人の後について部屋に向かった。