第12章 身の危険
美鈴:「大哥、フォレスはもう来てるの?」
アンソニー:「あぁ、来てるよ。迎えに行きたいって言っていたけど。二人まで何かあってはいけないから。政府からも今回の件で、まだ残党狩りをしてる奴らがいるからね。警察も警護に入ってくれるくらいだからね。」
宇航:「確かに、政府からは安全の確保はするが完全ではないところがあるから気を付けてほしいと言われましたからね。」
美鈴:「そこまで大変なことになっていたの?」
宇航:「お互いの国のメンツもあるし、政府高官まで絡んでいたからね。市民感情的にはよくないよね。」
アンソニー:「僕にとっては良かったよ。疑わしいって言っていた人々が僕をずっと指示してくれていた人たちのことを信じてくれるようになったから。」
美鈴:「大哥・・・。手のひらを簡単に返す人信じれるの?」
アンソニー:「違うよ。指示してくれてる人たちに、危害を加える人がいなくなって良かったってこと。僕に疑いを持っていた人たちが指示してくれてる人にまで危害を加えていたからね。」
何とも、疑わしい者はすべて排除と言った考えを持つ者はどこにでもいるにしろ、納得のいかない。
宇航:「美鈴、納得いってないかおしてるね。」
美鈴:「そりゃそうだよ。指示してる人に危害を加えるって三国志の時代でもないのに・・・。」
宇航:「支持者を削ぐのは政治の世界じゃ当たり前のことなんだよ。外堀から攻めてゆく。これは昔から変わらない。力を無くすためのね。」
アンソニー:「僕は政治にかかわる気はないけど、会社が大きくなれば世間は本人達の気持ちとは違うところで動き出す。噂もそうだしね。真実なんて決めるのは世間の目。人の不幸は蜜の味っていうくらいだからね。」
人の不幸が蜜の味、なんとも悲しい世の中か・・・。
戦乱の時代から人の心は変化がないのがあまりにも虚しい。