第10章 思わぬ誤算
美鈴とイ・ハウンのやり取りを聞いていたノアがソンジュに連絡を入れていた。
ソンジュ:「ノアちゃんありがとう。ソンスにも伝えたから、慎重に動いてと伝えて。」
宇航:「ハヌル、ジスとスタジオに向かってくれ、何が仕掛けてあるか分からない。特殊班には連絡してある。現場で落ち合って慎重に動いてくれ。一部の関係者にしかまだ話せてない。」
ハヌル:「話さない方がよくないですか?騒ぎになる可能性もあるので、冷静に動ける者までで、通常通り仕事をしていただければ良いかと思います。」
ソンス:「ハヌルの言う通りにした方がいいな。既にここでもパニックになりかけている。」
ソンジュ:「鈴美、美鈴ちゃんたち大丈夫かしら警察に知らせて方が・・・。\(゜ロ\)(/ロ゜)/」
鈴美:「大丈夫よ。あの子は香港にいる時にもっと危険なことにあっているし、対象の仕方も心得てる。一人じゃないし、守らなければならない者があるから。」
ソンス:「ソンジュ、私たちはここからできることを先回りして彼らの安全を確保しよう。慌てずに慎重にね。」
ソンジュ:「そうね。」
ハヌルとジスはスタジオへ向かった。
スタジオで美鈴はイ・ハウンから何かが仕掛けられていると聞き、ギヨンと後からきたベクヒョンに任せ、ノアに建物内の図面を手に入れてもらっていた。
ノア:「美鈴、これがこのスタジオが入っているビルの図面と入っている会社の一覧。こんなものどうするの?」
美鈴:「イ・ハウンからの話を聞いて、わざわざ話すにしてはおかしいなとね。自分の身が危ないにしては冷静で盗聴だってあるかも知れなのにあそこまで話すのは、別のことがあると伝えてる気がしてね。」
ノア:「相変わらず、こんな状況下でも冷静さをかかない美鈴に感心するよ。」
美鈴:「ありがとう。」
美鈴の狙い通り、ここのビル内には大手企業が入っている。
人の出入りも多いのでセキュリティは他に比べて厳しくなっている。入るためには、正面玄関、地下の駐車場も全てにおいて顔認証と指紋認証を義務付けている。
エレベーターに乗る際も社員証、入館許可書をかざすことで行先のエレベーターが来てその階までノンストップで上下する。社員たちは専用のエレベーターで出勤時間も細かく決められており、1階のホールに人が混雑することがない。
監視カメラも24時間作動している。