第10章 思わぬ誤算
宇航はジスからの報告で、ソンスたちと会議室に戻るように促した。
鈴美:「宇航、どうしたの?」
宇航:「ここは、スタッフたちに任せてとりあえず戻ろう。」
宇航の様子から何かがあったと感じたソンスは黙って戻るようにソンジュに小声で囁いた。
戻った会議室で何かを確認したソンスと宇航は鍵をかけ、部屋の中央に集まり話し出した。
宇航:「ジスからの報告で、発信機は見つけたと。ただ、見つけた場所に衣装ケースを乗せたワゴン車と同車種が止まっていた。」
ソンス:「そのあった場所は地下の駐車場ってことか。」
宇航:「そうなんだ、そこはオフィスと居住が一緒になっているビルらしい。駐車場の監視カメラや車載カメラで何かないか確認をしている。」
鈴美:「イ・ハウンに感づかれたかもしれないわね。」
コンコン、ドアをたたく音がする。
ハヌル:「社長、ハヌルです。報告があります。」
宇航:「今、開ける。まて。」
ハヌル:「失礼します。別件で調べていたら妙なことを耳に挟んで。」
ハヌルは宇航の指示で、セキュリティ管理室でビル内の監視カメラを確認していた。
宇航:「ジスからメールで連絡がきた。スタッフの中に内通者がいると、連絡はメールですると。証拠の映像は確保したから戻ると連絡がきた。」
鈴美:「ハヌル、妙なこととは何?」
ハヌル:「SEVENTEENのメンバーにセキュリティのソフトを一斉送信したところ、ジョシュアがセキュリティソフトを立ち上げた際にスパムアプリに感染していることが判明しました。」
ソンス:「そのアプリはどんなものか分かるのか?」
ハヌル:「社長方の確認を取ってからジョシュアのスマホ内に入って検索をかけようか思いまだ証拠は掴めて無いですが、メールにトロイの木馬を添付してそこからアプリをインストールするように促させているのではないかと思います。」
宇航:「ソンス、ジョシュア君のスマホ内に入っても大丈夫か?」
ソンス:「頼むよ。衣装じゃないとすると考えられるのは新曲の音源。マネージャーには連絡する。」
ソンジュ:「美鈴ちゃんがもう連絡して指示を待ってるわよ。ジス君から連絡が来てあの子なりに動ける範囲で調べていたみたいよ。」
鈴美:「ノアちゃんも美鈴と動いてくれていたの。業界内にはイ・ハウンの事をよく思わない人が多すぎるから楽だったって。( ´艸`)」