第11章 結局いつもそう。
あれから夕飯を食べて、リヴァイさんは出かけなかったから一緒に過ごしたけれど、出身地について触れてくる事はなかった。
そこで私は“別世界の人間”という事を隠し通そうと誓った。
リヴァイさんに言えないなら、この世界の誰にも言わないでおこうと。
そして、必ず家に帰ると。
《でもなぁ………、》
この誓を立てたのはいいが、また新たに問題が発生。
前々から思っていた事だが、
《……働きたいな。》
そう。只でさえリヴァイさんにお世話になっているのに、外に出たらダメだと言われているから仕事が出来ないのだ。
せめて自分の食費だけでも稼ぎたいが、外出禁止でどう稼げるものか。
リヴァイさんにお願いするのも気が引けるし……。
でも言わなきゃ始まらないよなぁ……。
《ハァ、》
「何ため息吐いてやがる。」
「!!!っリヴァイさん!?」
「今帰った。」
「お帰りなさい、です。」
リヴァイさんは私の前に座ると、テーブルに肘をついてコチラを見て聞いてきた。
「で?」
「え?」
「何にため息吐いてたんだ。」
「あ、う、あ~、」
必死にリヴァイさんから視線を逸らすが、リヴァイさんの目付きが段々怖さを増してくるので口を開いた。
「何も、です。べつに。」
「ほぉ…。」
暫く沈黙が訪れる。
答えたにも関わらず、とうとう視線で殺されそうな粋にまで達してきた。
「あのっ、……………外、出る、したいです。」
「………………。」
観念して本当の意味を答えると、リヴァイさんの瞳が揺れた。
「何故だ。」
「えと、シゴト、する、たいです。」
「何故。」
「えっ、あの、自分、食べ物、だけ、でも、買う、出来る、したいです。」
再びの沈黙。
「お前も感づいてると思うが、外は危険だ。」
ビクリ
やっぱりそうだったんだ。
そもそもリヴァイさんとの出会いがボロボロだったもんな……。
「先ずは此処の話をする必要があるな。」