第7章 私だけの秘密。
-----「家は何処だ」-----
彼の言っている意味は、わからない。
でも、私に聞きたい事が何なのか、わかってしまった。
優浬はスッとリヴァイから目を逸らす。
……今のは、通じて欲しくなかったなぁ。
何故この人とのやりとりは毎回、通じて欲しくない事ばかり通じてしまうんだろう。
誤魔化していたかった。
物語の様に、違う世界へ飛んで来てしまったなんて言える訳がない。
それに、この人に話してしまったら、本当に“異世界”に来てしまったと自ら認めてしまう。
理解はしている。
でも、納得できた訳じゃない。
理解していても、まだ何処かで否定していたい。
今は、誰にも話さない事で……。
じゃないと、壊れてしまう。