第1章 こんにちは、お兄さん。
《…………ここ何処?》
気付けば優浬は知らない所に居た。
見渡しても見たことのない景色が映りこんでくる。
優浬はフッと先程までのことを思い出した。
今日は休日だからとラフな格好で布団の上をゴロゴロしながら、あぁベッド欲しいなぁと考えていた。
その後、この前買いに行くのが面倒だと思い大量に買ったスケッチブックと筆記用具などで何か描こうと、それらの入った鞄を持った。
すると次の瞬間この場所に来ていたのだ。
おかしい。おかし過ぎる。
そもそも家から一歩も出ていないのだ。
何故鞄を持っただけで知らない所にくる?
一体何のドッキリなのだろうか。
優浬は改めて周りを見渡した。
優浬の立っている場所は何処も薄暗く、ガラクタなどが転がっている。
家らしい物も見えたが、作りが洋系でしかも古いカンジがする。
本格的に不安になってきたとき、足音が聞こえ、優浬は咄嗟に隠れてしまった。
足音は先程優浬の居た場所で止み、ドサッと重い物が落ちた様な音を出した。
優浬は気になり、隠れていた物陰からソッと覗き見る。