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【進撃】たくさん話をしよう。

第3章 名前はね…。


それを黙って見ていたお兄さんは口を開いた。


「……リヴァイ。」

《へ?》

「リヴァイだ。俺は、リヴァイ。」


お兄さんは自分を指差し、リヴァイという言葉を連呼し出した。

え、何言ってんの?
あまりの出血で頭に血が回らなくなったのか?
それともマジキチの人か?

などと失礼な事を考えていたが、ソレがお兄さんの名前だと優浬は気が付いた。

そうか、お兄さんはリヴァイって言うのか。
名前を教えようとしていたのに失礼な事考えてごめんね。

優浬もリヴァイを真似する様にリヴァイを指差し、口を開いた。


「リバイ。」

「違う、リヴァイだ。リヴァイ。」

「リバイ?」

「リヴァイ。“ヴァ”だ、“ヴァ”。」

「リバ、……バ、ヴァ、リヴァ、リヴァイ?」

「そうだ、リヴァイだ。」

「リヴァイ……。リヴァイ!リヴァイ!」


リヴァイという発音はなかなか難しかったが、何とか言えた。
気を抜いたらリバイと言ってしましそうだが…。

優浬は先程リヴァイがやっていた様に、自分を指差し言った。


《優浬です。ユリ。》

「ユリ?」

《はい!ユリです!》


リヴァイは優浬の名前を確かめる様にユリ…、ユリ…、と数回繰り返した。
優浬も優浬で、リバッ、リヴァイ…、リヴァイ…、と繰り返しす。

言葉が通じなくて面倒なのに、自分の名前を教えてくれるなんて…。
見た目は怖いけど、案外優しい人なのかな…。
と思い、優浬の頬は緩んだ。

人は見かけによらないとはこの事。

END.
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