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[サンプル]男娼【竈門炭治郎】

第1章 サンプル


物心つく頃には俺たちはここにいた。
行燈の光が照らす華やかな街。
恋を売る街
男を売る街

俺たちの両親はこの街に俺たちを捨てて、それを拾ったのがこの廓の遣り手爺だったらしい。
俺と禰󠄀豆子は両親の顔も知らず、この街の外に何があるかも知らない。
けれど時折兄様方が聞かせてくださる外の世界の話で、男にとってここよりもずっと酷く辛い世界なのだということはしっていた。
「女は自由だ。でも男はーーー」
女を孕ませ、金を稼ぎ、時には戦争の為に命を差し出さなければならない。
お国の為という名目のもと、死にに行くのだ。その話を聞いた時俺はゾッとした。
時折変な客はいるものの、ここはまだいい。
女の機嫌をとり、腰を振っていれば食事と寝床は保障されている。
間も無く俺も客を取るようになるんだろう。
女を悦ばせるための手練手管を遣り手から学び、名代(男郎の代わりにお客の相手をする人・しかし床入りはしない)も無事に務めた。
いつ筆下ろしされてもおかしくないと覚悟はしていた。






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