第1章 1
「緋芽ちゃんごめん…………っ、あとでちゃんと怒られる、から…………ッ」
下から突き上げて、激しく揺さぶると。
しがみつくように緋芽の両手が首へと巻き付いた。
「皇…………っ、こう、こう…っ。」
耳元。
ダイレクトに緋芽ちゃんの声、脳溶ける。
さっきからずっと名前呼ぶ、とか。
頭おかしくなるから。
息遣いがずっと耳に響いて。
やば。
限界。
「———緋芽ちゃん…………っ」
ぎゅう、て。
きつく。
抱きしめて。
緋芽ちゃんのなか、薄い膜ごしに。
溜まりに溜まった欲を吐き出した。
「…………こう」
「緋芽、ちゃ…………っ、ごめ」
ボーっと、したままに。
焦点の合わないまま緋芽がにこりと、微笑んで。
固まってる俺へと自分の唇を重ねた。
「え…………」
今。
緋芽ちゃん。
キス。
余韻に自分で唇に触れた、途端に。
捕まるものがなくなった緋芽の身体が、勢いよくベッドへと倒れ込む。
「え」
嘘っ
「緋芽ちゃんっっ」
そのまま緋芽は、気絶するようにだらんと、身体の権利を放棄した。
「…………ごめん、緋芽」
暴走して無理させて。
ごめんね。
でも緋芽。
これでもう俺のだね。
ごめんね。
もう絶対。
逃がさないから。