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カタルシス【呪術廻戦/R18】

第8章 君に触れる


「……」

未だ目を覚まさないの傍らで椅子に腰を据え、静かに様手を眺めていれば、硝子が医務室へ入ってくる。

「はぁ、……報告、修正しないとね」
「…いや、このままでいい。また狙われる前に悠仁に最低限の力を付ける時間が欲しい。硝子、悪いが記録上、悠仁は死んたままにしてくれ」

硝子は僕の指示に、ぴくりと片眉をつり上げた。

「…じゃあ、虎杖がっつり匿う感じ?」
「いや、交流会までには復学させる」
「なぜ?」
「……簡単な理由さ。若人から青春を取り上げるなんて…、許されいないんだよ。何人たりともね」

僕の言葉に、硝子は心底呆れた様子でため息を吐いた。

「の自由を取り上げた男が何言ってる」
「すっごい僕の心傷つけてくるじゃんウケる」
「事実だろう」

僕は視線を硝子から、ベッドで眠るへと移した。相変わらず、綺麗な顔が視界に映る。

「が起きたらちゃんと話をするよ。だから今日は連れて帰る。……それに、あの宿儺に襲われた後だ。何が起きるか分からないからね」
「……はあ。次いい加減なことしたら、今度こそ本当にをお前の元から引き離すからな」
「おー、怖い」

僕は戯ける様に笑う。

「ああでも…、硝子」
「?」
「もしが僕といることを拒んだら、そうしてよ」
「……」

それだけを言い残し、僕はを横抱きにして、医務室を後にした。


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