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Darling【テニプリ 跡部 R18】

第1章 Darling





見渡す限り、光の海だ。
遠くに虹の橋の灯りが揺れる。

赤いテールランプのラインが遠く
ゆらゆらと血管のように流れて

様々な色のライトが
反射しながら夜の闇に主張する。


そんな景色を背後に
床に腰を降ろした跡部が窓にもたれている。



「っっ!!!」

まさに絶句だ。
こんな、こんな綺麗なものって
この世に他にあるの?


「?」

「……っっっ!!!」

「なんだ?どうした?」


跡部を彩るためだけにある気がする
この夜の背景。

どうしてこんな色っぽい
生き物が存在するというのだろう?

ううん、そんな俗な表現は
違う気がする。だけど


ぞくぞく、と
視覚だけで快感を得てしまうのだ。


身にまとった引き締めのタイを
緩めつつ、跡部は何度か志歩に問うが。


「おい、なに考えてやがる?」


部屋の一面を占める窓ガラスに
背を預け座る跡部が、目の前で
向かい合わせ膝を立て、穴があかんばかりに
自分を見つめ続ける志歩を覗き込む。


魅せられる、とはまさに
この事だ!と。
志歩は息をのみ、その手を跡部の後方の
窓についた。


「あん?はっ。なに盛ってんだよ
 夜はこれからだぜ?」

「……跡部が 悪い。」

そう告げると跡部の両頬を手のひらで
くい、と持ち上げ唇をぶつけた。


ん……。


目を伏せる志歩を
顎を上げ下目使いの目で捕らえたまま
跡部も彼女を味わおうとせんばかり
舌を絡める。志歩の髪がハラリ、
下にいる跡部の頬に落ちる。


あ……だめ。
止まらない。

薄く瞼をあげると、やはりそこには
美しすぎる光の散らばりと
それよりも眩しい存在感を放つ整った彫刻のような顔。

それらに身震いする。



そうして一層合わす唇を
激しいものにした。

それだけで足りる訳もなく、
跡部が緩めた襟元に唇を這わせた志歩。


「…なんだよ、くすぐってぇ。」

「跡部……好き。」


つーーっと首筋、
そしてシャツのボタンに手をかけ
鎖骨に触れる志歩の温かい舌に
跡部もくすぐったさ以外のものを覚える。
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