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オオカミ少年とおねえさん

第7章 引越し蕎麦※よく見ると三人前



引越し。

あの時琥牙は言わなかったけど、不純な目的だけという訳じゃあない。


「もうちょっと広くて出入りするとこも考えたら泊斗たちも悪目立ちしなくて済むんじゃないかなあ」


数日後にそんな事をぽつりと言っていた。

やっぱり琥牙は何だかんだで伯斗さんたちの事を考えてるのだと思う。


二人でいくつか物件を見回り住む所が決まった後は、平日空いてる琥牙が伯斗さんたちも手伝ってもらいながらマンションの荷物を新居に移していたようだった。

そんな甲斐もあり話をしてから早くも二週間後に私たちは新しい住まいに足を踏み入れる事になる。


ちなみに引越し当日の本日日曜は雪牙くんがお手伝いに来てくれている。
せいぜい中学校入ったばかりのようなプラチナブロンドに碧眼の男の子が、洗濯機などの重くでかい家電を抱えてとことこ歩いている姿はかなり違和感がある。

琥牙と同じで彼もやはり体力があるんだろう。


「雪牙く……ぎゃっ」


真新しいツルツルしたフローリングの廊下にずりっと踵を滑らせた私を雪牙くんが反射的に腕を伸ばして背中に支えてくれた。
のけ反り気味にお礼を言う私に心底呆れた顔をする。


「……ったく、このボケ女。 んでんな何も無いとこでコケられんだあんたは? 見えない地縛霊にでも捕まんの? 洗濯機と一緒に運んで欲しいっての?」

「ご、ごめんね。 でも今日はありがとう。 凄く助かったよ」

「………フン。 暇だったし、別にお前のためじゃねーし」


そんな憎まれ口を叩いてさっさと先を歩いていく。
それでも以前に琥牙と気まずい別れ方をしていた雪牙くんは彼と仲直りするいい口実が出来てどこか嬉しそうだった。


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