第6章 どっちが肉食*
うん。 そんなのいいよ、全然大丈夫。
童貞でも教えてあげるしドンと来い。
使った事も無い種類の色んな避妊具購入して、冷蔵庫に食料と飲み物も溜め込んで。
琥牙が望むならと張り切って、今日はいっぱいする予定だったんだけど。
終わった後のキスも無かった。
もう眠ってしまったのか、規則的に上下に動き始めた彼の肩に触れかけて、何となくその手を引っ込めた。
もしかしたら
「前に少し喧嘩した時に触れてくれない、なんて私が言ったら形だけはした。
だけど実はあんまり乗り気じゃなかった」とか?
そんななら無理にしてくれなくっても良かったのに。
なんかもう泣きそう。
こんなに近くに居るのに寂しいなんて。
***
その日から今度は琥牙が余所余所しかった。
私が仕事を終えて家事をしたりお風呂から上がったりすると、その間にもうベッドに入ってる。
そんな状況を目にするにつけがっくりとうなだれる。
女としての自信無くなる。
私ってこんなにウエットな人間だったのかと我ながら驚いた。