第6章 どっちが肉食*
そんな事があり何となく両思いになったっぽい私たち。
私の体調も戻り邪魔者も居なくなり。
週末になって男女がそういう雰囲気になるのはごく普通の話で。
体を重ねたあと私と琥牙はベッドに横になっていた。
「……っん」
「真弥、大丈夫?」
「うん。 久しぶりだったから少し体がビックリしただけ」
「なら良かった」
うん良かった。
実際久し振りだったから痛いかな、なんて思ったけど彼はいつも通り優しかった。
それから前に見た通り細マッチョな体もとても素敵だった。
……けれど何かがおかしい。
最中から余り目を合わさないし、内容もやけにアッサリ。
今も終わったら早々に背中をこっちに向けちゃって。
逆に私が良くなかったとかしか思えないんですけど。
大体彼が最後まで出来たのかも不明。
若いからいっぱい出た? そんな事をサラリと訊ける雰囲気でもなく。
不審な思いを抱きつつ、私はこないだの伯斗さんの帰りがけの言葉を思い出していた。
『琥牙様が真弥どのに慎重だった理由』
それはいくつかあったらしい。
1. デキやすい(子供が)
2. 精力が強い(種族的に)
『……そんな私たちですから、きちんと気持ちの上で真弥どのに受け入れてくれるまで待ったのでしょう。 それに私たちは人の様に、不特定多数に対して快楽のみを目的に交尾をしません。 あくまで生涯ただ一人と決めた相手にのみ、愛を交わすのです』