第33章 不倫→バトル→なんで恋?
「だって現実問題、琥牙さんのチンコが小指っくらいだったら伴侶にしてた?」
そんな唐突な質問に、馬鹿馬鹿しいと切ってスルーしようとするけども、ごく真面目な顔でそう聞かれると。
「………どうかな」
思わず腕組みをして、考え込んだ私。
確か、する前に好きになってたとは思うんだけどな。
「逆に有り得ない馬並みだったら? 実質レスでしょ、そんなん」
「そこは……ほら。 例えば手とか、努力でさ」
それだけじゃないと思う、それは本心。
そもそもそういう行為を継続するのは気持ちがあるからこそだし。
「それマジ? 一生相手に努力強いるの? どっちも悪くないのに。 その方が不自然なんじゃナイ?」
「でも結局、愛情だと思うし……」
「セックスなしで、ホントに? 経験則?」
「…………」
やけに絡むわね。
行為と好意は別口であると言い切る男、二ノ宮くん。
彼と私とは考え方が根本的に違う訳だけど、そう強く言われると困ってしまう。
最後までしなくっても、マッサージとか、パートナーとのスキンシップは色々あるわけで。
だけどこんなのは、男性サイドからしたら、考えられないものだろうか。
そして毎回そんな感じだったら、恋人というより家族に近くなるのかなあ?
終業時刻も過ぎた18時半。
客観的に見て、オフィス内のこんな暗い所で男女がコソコソしてたら怪しいだろう。
しかもしてる会話の中身のなさったら。
そう思いながら、狭い室内の、資料などが放り込まれたダンボールを背景に佇む、就活中の大学生みたいな二ノ宮くんを改めて眺める。
それでなんでこんなことになってるかというと、時はつい15分ほど前のこと。