第26章 狼の里にて 後編*
クチュ……
ことさらにゆっくりと開かれた私の性器を、琥牙が食い入るように見詰めている。
襞の裏側までめくられて丸裸の自分をさらけ出しているのには羞恥はあるものの、その情欲が張り付いた瞳に背筋がぞくりとした。
「ヒクつかせやがって……堪んねえ」
つい動きそうになる腰が、中に埋没している彼の指によってそれを封じられる。
ねちねちと指の先を内側にすり付けながら、「大人しくしないんなら抜くぞ」 そんな事を言われる。
その間も指は止まらず、くちゃ、くちゅ・・・とぬるつきを増し続ける膣への抜き差しを繰り返す。
その動きは緩慢だった。
もどかしさに耐えきれなくなると、自分の胸の先を強く摘んではそれを慰めた。
琥牙の舌が獲物を前にした肉食動物のように唇をペロリとひと舐めした。
ふっ、と息をかけられて腰が上がり、滲んだ愛液が彼の指から手の甲へと伝う。
「もう半分剥けて顔出してるな」
薄いもやがかかった視界の中で琥牙がそこに舌を伸ばす。
その舌は期待にたがわず長く伸び、指先で大きく割り開かれた花唇の間にするりと滑り込んだ。
それから顔を引き、舌先で花芯の根元をくりくりと弄る。
「ン…っ、そこ…気持ち…い…あっん」
そうされながらも中の指の動きも、ほんの少し押す力が強くなる。
与えられる快楽は絶えまない高波のように、私を捉えて離さない。
「ここが好きか」
びりびりとした感覚は集中的で、今の私には痛い程だった。
そして痛みを伴う位の刺激をこの体は欲しがっている。
「うぅ……はぁ……はぁっ……す…き……っんん」
舌の先からその広い面で、ぬるりと舐め上げる。
熱い吐息、それから舌や唇。
それらが私の秘裂や肉芽を貪るように食べてくる。
「っん!…んんっ…あぁっ…いい…ああっ!」
一転して激しくなった動きに翻弄されながらも、漏れ出る声は素直にそれに呼応する。
秘裂を滑る何往復目かに、彼の鼻先に花芯を強く押し当てられて達しそうになり、腰を浮かせようとした私を彼が中へ攻め入る二本目の指でまたもや制した。
「……あんまり、簡単でもな」
「っン、く……」