第24章 狼少年を追え*
硬く太い、男性の指が侵入してくる。
ごつごつとした感触に、一瞬男性のそれが入ってきたのかと錯覚した。
「はぁ……あっ…あぁっ…」
「久しぶりに迎える体にはこれも悪くあるまい」
そしてそれがまた増えてぎちぎちと入り込んでくる。
グチュウ……そんな音をさせて中で広げられ、その隙間からお尻の方に、愛液が滴るのが分かった。
「はぁっ…っ!……気持ち…いぃ……です」
ゆるゆると引き合いながら、体内を穿ってくるそれと同じ速度で、胸の下からその先端を、喉を通って唇へと彼の舌が這っていく。
私の額に口付けを落とした時に、それが私の奥を柔らかく押した。
「ああん…んっ、…奥に…入って…」
初めは強ばっていたのに今はもう緩く広がっている私の両の脚は、迎えるたびに軽く力を込めてその異物を締め付ける。
今は足りないと、私はそんな事を思っているのだろうか。
『彼』がいつもそうしてたみたいに?
供牙様がそんな私の内を察したのかは分からない。
また私の涙を拭う代わりに、深くを抉るみたいにたて続けに侵入を繰り返す。
「あぁっ!もっ…もうっ!ダメッ!…あぁんっ!」
時折聴こえる息遣いの他には、もうなにも私の耳に入らなかった。
いつしか『彼』の名前を呼んでいた。
濡れた私の性器に絡み、摩擦を繰り返すたびに、何度も。
琥牙──────────
ただ手を伸ばし、叫ぶには余りにも小さな声で。