第20章 月下の交合*
「アあ…あッあぁ──────」
先程とは違う、今度は火傷しそうな程の熱い迸りが子宮を叩き続ける。
ああ、出されている。
耐え難い翻弄の最中でそれを私の躰は歓喜していた。
─────────
足元から崩れ落ちそうに視界が傾いて、すぐに体がフワリと浮いた。
「ふ………」
一瞬だけ気を失ったらしい。
支えられてる体に力が入らない。
「初めてだとは思わなかった」
私の身をそっと横たえると、彼はその足の間にそっと指を入れ、多過ぎるそれを外に掻き出した。
「あぁっ…」
それでもまだ、こぽりと流れ続けて腟内を通る感覚に緩い快感を感じて身を震わせる。
「ふ……またそんな反応をするな」
そんな私に彼の切れ長のまなじりが柔らかく下がる。
「供牙様、のそれは……」
人の先端より大きなものがその根元にもある様な、見たことの無い男性の器官。
「狼である名残だろう。 旧い存在の私だけなのかは分からぬ。 慣れると悦いらしいが激し過ぎたか」
「はい……でも、嬉しかったです」
まるで自分の処女を彼らに捧げた様な、不思議な感覚だった。
「つくづく変わった事を言う娘だな。 そういう所も似ている」
そう言って穏やかに目を細める供牙様。
その表情は少しだけ琥牙を思い出させた。
「あの、これは浮気なのでしょうか」
至極真面目にそんな事を言ってしまった。
浮気というより、有り得ないほど感じてしまった自分に罪悪感を持っていた。
彼とはまた愛情の度合いが違うとは言え。
「お前の伴侶は私に連なるものだ。 同時におまえもまた私のかつての伴侶の家の血を引く娘。 そもそも夢を浮気と言ってはキリがないだろう?」
「私が……?」
おそらくとても間抜けなポカンとした顔で供牙様を見詰めてしまった。