第20章 月下の交合*

下から舐めあげられたそれが胸の頂きを潰しては離れ、何度も何度もそれを繰り返す。


「い。……いや」

「こんなに紅く硬く……感じているのだな。 もう蜜をたたえているのか。 お前は淫らで素直な体をしている」


軽く甘噛みされて思わずあっと大きな声を上げると私を抱く腕に力が籠った。


「あっ…あぁっ」


歯でしごかれた後に恥ずかしい位に尖ったそれを更に吸われ、解放された瞬間にじんじんと痛みにも似た余韻を残す。

がっしりと支えられた私の腰は弓なりに反り、彼がかがみ込んで愛撫を加え続ける。
下腹の辺りに逞しい滾りが押し付けられ、それが余計に私を乱した。

違う触れ方。
とても緩やかに限りなく優しく、少しだけきつくて。

だけど委ねられる安心感はどこか琥牙に似ている。


「そんなに押し付けるな。 腿にまで垂れてるのが解るぞ……」

「ンあっ…あぁ…」


最近になって思う。

私はとても欲しがりだ。
琥牙と関わるまでこんな自分じゃなかった。

心も、そして体がすぐに求めてしまう。
もっと触れ合いたい。
深く繋がりたいと。

私の下腹部を優しく撫でる手のひらが、そこに直接問いかけてくる。


「慣らしてやりたいが、耐えられぬか？」

「は、はい……下さい……」


浮かされたみたいに欲望を口にして、その後顔がかっと熱くなった。
けれど供牙様はそれを馬鹿にするでもなく、衣服の上からもう痛いくらいに欲しがっているそこに触れてくる。


「ふっ……可愛い娘だ」