第14章 月色の獣 - 狼の里*
まだ陽の高いうちにそうする事は珍しかった。
「子を産んだ後の女が一番美しいというが、この所のお前を抱いているとそれが分かる」
狼という動物がそうであるように、供牙の様な人狼もまた本来精には貪欲である。
元々子供が授かり辛かった体質の加世がそれを持てたのも、供牙のその性質の賜物と言ってよかった。
「ハア……っ!あ…供…こんなまだ、明るいわ…ンぁあ」
とはいえ流石に、日中から堂々と寝所で睦み合う訳にもいかない。
着物の下の加世の肌を堪能出来ぬのを残念に思いつつも、供牙は膝の上に加世を乗せて、その美しく熟した肉を味わっていた。
片方だけはだけた紅い乳房の蕾が誘う様に揺れ、供牙がそこに口を付ける。
出産で以前より膨らんだそれを口内に含んで舐め転がしながら、既に貫いている加世の女陰は充分に潤っていると供牙は思う。
だが本来は静淑な性質の加世に痛みを与えぬ様、その雌の器官をひくつかせて、男を迎え入れる程にするには時間がかかった。
ましてや人狼である自分の形状は人のそれとは若干異なる。
狼などにある男性器の根元にある瘤は普通の人間には無いものらしい。
ただでさえ自分の外見も奇異だというのに。
そんな風だったから、供牙が加世を抱く時には細心の注意を払い、その滴る蜜も濃く香って我知らずに供牙を締め付ける、そんな風になるまでじっくりと高めてやる必要があった。
行為において全く理性を失う事はない。
それでもそうする事は、供牙の喜びでもある。
こんな自分を慕ってくれる愛する加世を、人の男として悦ばせる事が出来る。
そんな事を思うと、単なる動物の摩擦行為などは比ではなく、余程供牙を昂らせるのであった。