第6章 目的 2 ❇︎ 【煉獄】
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翌朝。
10時。
「ん…」
私は目を覚ます。
もう、明るい。
あの後も何度も求め合ってしまい
結局23時からスタートした情事は
終わりを告げたのは午前4時。
「イタタタ…」
下半身、特に腰を痛めている。
これは間違いなく突貫工事の後遺症。
——で、でも…すごかったぁ…
巧い人って、ああいうのを言うのね…!
私は初めてイったきり戻ってこれなかった気がする。
「起きたか!」
その元凶が元気に声をかける。
私はその声の方をジロっと睨みつける。
「!!!」
「服!服を着てください!」
「何も、先程まで見ていただろう!」
「それとこれとは違います!」
堂々と何も身につけずにミネラルウォーターを持ってくる煉獄さん。慌てて掛け布団で視界を隠す。
「ほう、目隠しもしたかったか?…では…」
「な、何を言ってるんですか!」
「…といきたいところだが、チェックアウトまで時間がない。
風呂に入るぞ。朝食は部屋に運んでもらった。」
煉獄さんは私をひょいと横抱きにしてバスルームに連れていく。
——お、お姫様抱っこ!!!
まさか初めてのお姫様抱っこがこんなだなんて!
でも、煉獄さんだから恥ずかしさより嬉しさが勝る。
時間がないため、2人で急足でシャワーを浴び
(何度かちょっかいを出されそうになるのを阻止して)
髪を乾かし着替えを済ませた。
10時30分。
2人は部屋のテーブルで朝食を取る。
今日は2人ともBのトーストとふわふわオムレツ。
「昨日のダイニングでゆっくり食べたかった。」
「まぁ、いいじゃないか。こうして2人きりで食べるのも。」
「だ、だめじゃないです…けど…」
「君の契約次第では、またこうして何処かに出かけることが増えるぞ。」
「え?」