第6章 目的 2 ❇︎ 【煉獄】
「え…。」
「10のうちに君の口から、『嫌だ』という言葉が無ければ、承諾と受け取る。」
「1、2、3…」
私に猶予が迫る。
どうしよう…だって私…。
「…9、10」
「では、承諾と受け取ろう。」
煉獄さんは色っぽい笑みを浮かべながら、私の首筋に指先を這わせる。
大きくて暖かい彼の手がバスローブの首元から肩の方に入ってきた。
「…む?」
その手が少し下の方に移動する。
「…よもや、君。もしかして…」
「…バスローブの下は、何も着ないのがセンスなのでしょう?」
私は今すっごく恥ずかしい。
まるで自分から誘いに行った様なものだ。
気の迷いを起こして欲しくてバスローブの下は何も着ていないのだから。
顔を逸らすと、手のひらが私の顔を彼に向き直させる。
「君はすごいな。俺の依頼もお見通しだったのか。
…こうでもしないと意地っ張りな君は堕ちないと思っていたが。」
「君の気持ちを無碍にしない様に満足させないとな。」
そう言って、私の唇にキスをした。
優しいキスから段々と貪る様なものへと変化していく。
それだけで、私の思考回路はもう働くのを止めていた。
彼の手が私の髪をくしゃくしゃにしていく。
髪を乱し終えたら次は頬、首、鎖骨と撫でる様に移動する。
私の身体は朝から期待されていたから、もう何処もかしこも煉獄さんからの刺激を求めていた。
胸に手がたどり着くと、バスローブを着ていても気付かれてしまうくらいツンと主張している。
「勃ってる。」
「自分で触るだけではどうにもできなかったろう?」
煉獄さんが耳元で囁き、指先でピンと弾いた。
それに連動して、私の身体にはピリッと電流がながれる。
「あっ」
どうしよう…今までに経験したことないくらい感じている。
それに…さっきの…見られてたんだ。
煉獄さんは私の反応を見ながら、指で弾いたり、転がしたり摘んだり…
その度に私の口からは甘い嬌声が溢れた。