第6章 目的 2 ❇︎ 【煉獄】
それから、煉獄さんの仕草仕草に酔いしれてる私がいた。
——…恋なのかもしれない。
そう思った。
お母さんが迎えにきてくれて、2人はよく眠れたか、食事は美味しかったかなどを話している。
そんな話をしていても、私の心臓は大きく高鳴り、話の内容も上の空だった。
今日はおばあちゃんがやってくる日。
おばあちゃんに挨拶をすると、煉獄さんを見て驚いていた。
「おや、獅子みたいなお兄さんだねぇ。
奏ちゃんと。そうかい。
子供はまだなのかい?」
「おばあちゃん、私たちまだ結婚してないのよ。」
まだ…って。付き合ってもないのに。
なんとなく、自分で思って悲しくなった。
「はは、そうですね。早い内に見せられると良いですね!」
煉獄さんは神対応をしてくれて。
やっぱりすごい人だと思う。
…でも、それってどんな気持ちで言ってるの?
ーーーーーー
「それじゃ、明日も今日くらいに迎えに来るわね。
杏寿郎くん、おやすみなさいね。」
お母さんの車が見えなくなっていく。
煉獄さんは私の腰に手を回し、「さ、行こうか」と耳元で囁いた。