第6章 目的 2 ❇︎ 【煉獄】
「ん、あのっ」
内ももを触られ際どいところまで手を這わせるものだから、私の下腹部が…期待してしまっているのが分かった。
それを分かっているのか煉獄さんは両手で触り出した。
——も、だめ…これ以上されたら…
と、思った時
「少しとは、こんなもんか。」
と手を離してしまった。
中途半端に期待させられ、疼き始めてしまった私の身体。
「…さ、着替えて朝食を食べよう。」
「は…はい。」
そう、私たちは体目的じゃないんだから。
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着替えてラウンジへと座る。
向かいに座った煉獄さんは、私を見る時少し目を細めて
色っぽい視線を向けてくる。
朝食はA、B、Cからの選択制。
私はCのフレンチトーストセットにした。
煉獄さんはAのエッグベネディクトのセットだったかな?
エッグベネディクトってどんなのをいうんだっけ?
…言いづらいな。
運ばれてきた朝食はとても美味しそうだった。
メープルソースがキラキラと光り、ナイフで切ればトロッと蕩けるのが目でわかる。
「んー!美味しいっ!!」
一口一口味わいながら食べる。
「とても美味しそうに食べるな。」
「だって、本当に美味しくて!
あ、食べてみます?」
私が皿ごとどうぞと渡そうとすると、あ…と口を開く煉獄さん。
そ、そうきたか!!
「あ、あーん」
私はその口の中にフレンチトーストを入れてあげた。
メープルは多めの方が美味しいだろうから、たっぷり絡めて。
すると、欲張ったからか私の指にメープルが垂れる。
「あ…」
と、煉獄さんは私の手を取りそのメープルをペロッと舐めた。
もう私の意識がちゃんとそこにあったかなんて覚えてない。
ポーッとして、口も開いていたと思う。
——ダメだ。私完全に彼に翻弄されてる…。
「奏さん、ぼーっとして大丈夫か?」
「ほら、俺のもあげよう。口を開けて。」
煉獄さんはお返しにとエッグベネディクトなるものを一口に切って差し出してきた。
私もあーんと口を開けて分けてもらう。
フレンチトーストとは違い、少し塩味の効いた卵料理だった。
「ん、美味しい!」
「ほら君は。ここに卵がついてしまった。」
私の口元に手を伸ばし口端についた卵を指で拭う。
そして、彼はその指を舐めた。
あぁ、もうドキドキしすぎてどうして良いのか分からない。