第6章 目的 2 ❇︎ 【煉獄】
そうしてまた煉獄さんの手が私の肌を滑っていく。
不思議とその温かい手に心地よさを感じ、嫌なはずなのに拒みきれないのは煉獄さんだからか。それともイケメンだからか…?
——だとしたら、私の方が外道かも。
顔で選んでいるようでは。
「お母さんは12時までに来てと言っていたな。」
「さて、今は何時だと思う?」
「え…」
時計を探すが見当たらない。
杏寿郎がスマホの画面をつける。
6時半。
「少なくとも11時には出れば大丈夫だろう?
今日はチェックアウトもない。だから、たっぷり時間があるな。」
「えっと…それは…」
何でこんな早くに目覚めてしまったのかと後悔する。
観光する様なところでもない。
…もしかして、私このまま喰われるのでは…?
まだお尻には硬いモノを感じている。
こんなの…入るの?久しぶりすぎて受け入れられるの?
私は拒むはずなのに、受け入れられるかの心配をしていた。
「さて、もう一眠りしよう。」
そう言って煉獄さんは私を抱き直し後頭部に顔を埋める。
「え?」
「ん?なんだ?寝ないのか?」
ね、寝るの?この状況で?
わざとか否か、煉獄さんはぐいっとさらに押し込んできた。
「んん…っ」
それについ反応して、少し甘い声を上げてしまった。
「どうした?そんな声を出して。すまないな、生理現象だから気にしないでくれ。」
生理現象っていつまで続くの?
後頭部に鼻先を擦られればくすぐったい。
私は思わず身を捩った。
すると、カポカポになったブラが私の胸の先に当たる。
「ぅんっ」
「先程からどうしたんだ?そんな声を出して。」
「あ…そんなつもりじゃ、色々事故が…」
起きまして。
「一度、離れてくれませんか?色々直しますんで。」
「断る。」
「…へ?」
「直されたら、意味がないだろう!」
えぇっ!