第5章 目的 【煉獄】
「さぁ、先にお風呂にでも入ってくると良い!
女性は早く化粧を落としたいだろう?」
…!!
そうだ、化粧を落とさなくてはいけない。
煉獄さんの前でスッピン⁉︎
「い、いえ!煉獄さんが先にどうぞ!
私時間かかるので!」
「君の先に入るのは忍びないな。
…では、一緒に「先に入ってください!!」
「むぅ!」
…私は1人悩んでいる。
受付で一瞬固まったのはダブルという言葉。
二つのベッドがある部屋をダブルだっけ?ツインだっけ?と。
目の前にはどーんと、大きなベッドが1つ。
「やっぱりダブルって…そうですよねぇ!」
私は膝をついて落ち込んだ。ここに2泊⁉︎
嘘でしょう⁉︎
すると、ガチャ…と扉の開く音がする。
「ん?どうしたんだ?」
煉獄さんの声がして私はその方を見た。
「…………。」
私は言葉を失った。
ばばばば…バスローブ!!!!!
しかも、まだ濡れた髪をタオルで拭っている。
すごい…すごい破壊力!
私は気を失いそうになった。
「奏さん?どうしたんだと聞いているのだが。」
ぼーっと見惚れ、魂が抜けそうになっていると、ずいっと顔を近づけられる。
「ぎゃっ!」
あまりの攻撃力に思わず変な声が出る。
ふふっと煉獄さんが笑って「さ、入っておいで。」と促してくれた。
私は慌ててお風呂に向かった。