第5章 目的 【煉獄】
ギッと鋭い目つきになり、居間の方を見る。
「連れてきたの?」
「連れてこいって言ったのお姉ちゃんでしょ。」
お陰で大変な目にあってるんだから。
ズカズカと歩き、スパンッと戸を開ける。
突然のことに辺りはシン…とする。
「あー、きたよ。奏ちゃんのセコム。
杏寿郎くん、気をつけなよー。あいつを怒らせたらヤバいから。」
そう耳打ちするおじさんを睨みつける里美
「あなたが奏の彼氏?」
里美は煉獄の目の前に座る。
「初めまして。煉獄杏寿郎と申します。
奏さんのお姉さんですね?
奏さんからよくお話は聞いています。」
「話?私のことなんだって話してるのよ?」
しまった…!!
お姉ちゃんの事ほとんど教えてない!
まさかいきなり一対一で話すとは思わなかった…。
「頻繁に電話をくれて、奏さんの事をいつも気にかけてくれる優しいお姉さんだって聞いてますよ。」
「それに、奏さんが先程も困った時、頼りにしたましたから。」
「…まぁね、奏は可愛い妹だからね。」
「優しいお姉さんがいらっしゃるので奏さんも優しいんでしょうね。」
そう言ってニコッと笑う煉獄さん。
お姉ちゃんは…?
「ふーん、悪い人じゃなさそうね。
ずっと彼氏なんていらないって言ったたのに、どうしたのかと思ったんだけど…。
杏寿郎くんだっけ?
奏の事どこが好きなの?」
「む。素直で優しいところですかね。
彼女は嘘をつくのはどうやら苦手なようだ。
すぐに顔に出てしまうところなど、愛らしいと思います。」
「…そう!そうなのよ!分かる?可愛いのよ!」
…????