第5章 目的 【煉獄】
「あ゛ー、疲れたぁ…」
私はお風呂に入ってベッドに寝転がる。
世はお盆休みに入り、帰省や旅行に混み合う時期。
本来なら私もお盆休みに入っているはずだった。
保育士をしている私は当番はあれど、3日は休みがある予定だった。
休む気満々で、休み中は何をしようか。
どこに行こうかと胸を膨らませていたのに。
「奏先生、お盆休みのことなんだけど…」
お盆休み1週間前。
主任に呼ばれ嫌な予感がする。
「は、い…なんでしょう?」
「なんとなく分かっちゃった?
ごめんね、今年新盆の先生多くて…
人手が足りないのよ。
それで…お盆休みをずらしてくれないかしら?」
「え…、あー…
わかりました…。仕方ないですもんね。」
「ありがとう!助かったわ!
今回の休み、1週間ずらしでいい?
…5!土日挟んで5連休にしてあげる!」
私は主任の提案に目を輝かせる。
「えっ!そんなに休みをもらっていいんですか?」
やったぁ!と分かりやすく喜んだ結果、お盆は仕事になりました。
でも、5連休が待ってる!
そう思って暑い中のプール準備も頑張ったというわけ。
「あつー、暑いだけで体力奪われる…」
〜♪
項垂れているとスマホから着信音が鳴る。
——げ。お母さんからだ。
この時期の電話といえば大体内容が分かっている。