第4章 帰る場所 【冨岡】
ある日、義勇さんが真剣な顔をして話があると言ってきた。
「お前は、自分の幸せだけを考えろ。」
義勇さんはそう言った。
なんでも、近々大きな戦いがあるらしい。
生きて帰ってこれないかも…と。
「…義勇さん、私はここにいますよ。」
貴方が帰って来ることを信じて。
「あなたが私の前で死ぬまで
ここにいますよ」
「だが…」
きっと若くして1人にしたくないという優しさ
なのでしょうね。
でも、そんなんで他の人と一緒になって
幸せになんてなれるもんですか。
「何弱気なことを言ってるんですか!
私の知っている義勇さんは強い方ですよ!」
「私に幸せになってほしいと思うなら
ちゃんと帰ってきてください。
私のために、帰ってきて。」
私が微笑むと義勇さんも、ふっと笑ってくれた。
「分かった。」