第4章 帰る場所 【冨岡】
寛三郎が飛んできた。
『奏、間モナク 帰ル。」
遅くなると言っていたが…
早いな。
今日は非番だ。
せっかくだから夕飯を作ろう。
鮭大根と、奏の好きな煮っ転がしでも作るか。
出来上がった頃、ちょうど奏が帰ってきた。
「ただいま!わぁ!
良い匂いっ!!」
「早かったな。手を洗って来ると良い。
早めだが夕飯にしよう。」
「うん!お腹空いた!」
「奏の料理には及ばない。
何作っても美味い。」
2人で手を合わせ、美味しいと笑うこの時間。
こんな時が俺に訪れるとは思ってもみなかった。
この時が永遠に続けば良い。
朝を迎える幸せ。
帰ってきたことを喜び合う。
そんな時が。