第4章 帰る場所 【冨岡】
私は義勇さんと住み始めたころ
一度だけ、何を考えているか分からないと言ったことがある。
とても優しくて、少し抜けてるところもあるけど
しっかりしているとも思う。
でも、あまり話してくれなくて。
じっと目を見ているから、何が言いたいのかなって。
だから私は直球で伝えた。
その時は心外だ!と言わんばかりの顔をして、
初めて表情で気持ちがわかったけど。
でも、それ以来は義勇さんは気持ちを伝えてくれるようになった。
ベラベラと喋るわけじゃない。
今日あったことを話してくれる。
夜には甘い言葉を囁いて
私を蕩してくれる。
それでも、しのぶさんの反応を見る限り、
鬼殺隊の中では無口でいるんだろうな。