第4章 帰る場所 【冨岡】
…もう!
義勇さんずるいっ!
私は蝶屋敷での仕事をしながら
今朝のことを思い出していた。
「あらあら。どうしました?」
「しのぶさん!義勇さんったらね?」
私はしのぶさんに話を聞いてもらう。
いつもニコニコしている女神のようなしのぶさん。
でも、私が義勇さんの話をすると、
なんか…
「奏さんの彼って、本当に冨岡さんですか?」
しのぶさんの顔が引き攣るんだよね。
「はい!水柱 冨岡義勇です!」
「そ、そうですか。」
引き攣った笑顔を向けながらも、何か面白いようで
根掘り葉掘り聞いてくれる。
恋人の話を聞いてもらうのって
恥ずかしいけど結構好き。
蜜璃ちゃんと話すと止まらない。
しのぶちゃんも良い人ができたら良いのにな。
本人にはそのつもりはないようだけど。