第21章 我儘が聞きたい【煉獄】
今、大事なところなのだが…。
「…もしもし、煉獄だ!」
『あっ、遅くにすみません!今大丈夫でした?
実はですね…』
俺はうんうんと溝口の話を聞く。
邪魔だろうからと、膝から降りようとする奏をぐいと引き寄せた。
「ちょ!!」
小声で驚く奏に、俺はにこりと笑顔を向けた。
「溝口、ありがとう!分かった、ではまた月曜日に!!」
通話を切り、スマホをテーブルに置く。
「…という事だ!」
「…という事?」
奏は首を傾げる。
「さ、寝室がいいか?それともソファー?」
「うむ、このままでも…いいな…。」
奏の服の上から身体のラインをなぞると、ピクリと身体を震わせる。
「んっ…えっ、寝るんじゃ…」
「25、26と休みを入れてくれたそうだ!なんでも溝口が、君は我儘も不満も言わずに俺を支えていると、皆に話したらしい。
そしたら、感銘を受けた皆が色々ずらして休みをくれた!」
「えっ、そんな!いいの?」
「人の好意はありがたく受け取ろう。」
奏の髪をそっと撫で後頭部へ手を回すと、そのまま頭を引き寄せた。
「お望み通り、今夜は寝かせない…。」
「……っ!!」
杏寿郎の瞳に熱が宿る。
この目に見つめられると、奏はそんなつもりじゃなかったとは嘘でも言えなくなった。
「…杏寿郎。」
「ん?」
「私も貴方の我儘が聞きたい。」
奏からの可愛いお願いだ。
「…では、俺にクリスマスプレゼントをくれるか?
そうだな…俺のために可愛く啼いて、寝ずに俺に愛を囁いてくれる。」
「そんな君が欲しい。」