第21章 我儘が聞きたい【煉獄】
甘く溶けるような2人の時間が流れていく。
真冬なのに、一糸纏わぬ姿の2人は何度も何度も愛を囁き、互いの存在を確かめ合った。
夜明けが近づく頃に奏は、気を失うように眠りについた。
汗ばむ身体をベッドに投げ出すと、カーテンの隙間から陽の光が差し込んできた。
いい天気だと思いながら俺も目を閉じ、眠りについた。
ーーーーーーーーーー
「ん…あ、寝ちゃった…」
私は目を開け、自分が眠ってしまったことに気づく。
隣では杏寿郎が目を閉じている。
汗で顔に張り付いた髪を梳いてやると、少し眉間に皺が寄った。
「もぅ、体力ありすぎ…。」
そう呟いてクスッと笑う。
「…無理させすぎたか?」
「っ!杏寿郎起きてるの?」
聞こえるはずのない声が聞こえて驚き見ると、にっと口角をあげる杏寿郎がこちらを向いていた。
「とっても素敵なプレゼントをもらった。
ありがとう。…身体は大丈夫か?」
「ん…、私も素敵な夜になった。
元気いっぱい!とは言えないけど、大丈夫。」
私がそう言うと、杏寿郎はコツンと額を合わせてきた。
「25日…記念日だが、今日はどうする?
夜はレストランで食事しようと思っているが。」
「いつも考えてくれてありがと。
それまでは、ゆっくりしましょう?
杏寿郎とこうしていられること…最近は少なかったから。」
私が抱きつくと、あぁ、と杏寿郎は微笑み私を抱きしめ返してくれる。
忙しい貴方を独り占めできる愛しい時間。
「メリークリスマス。」
「結婚記念日、おめでとう。」
〜fin〜
後書き→