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あなたの…【鬼滅の刃】 短〜中編

第21章 我儘が聞きたい【煉獄】



「今日は寝たくない。」




ん?




俺の思考はどうやら働いてないらしい。



「寝たくない…とは」

「…もう。そんなに鈍かった?」



奏は、自分の席を立つと俺の方に向かって来た。
どうしたのかと俺が下がると、奏は俺の首に腕を回す。



「ど、どうした!ん…?」


「よもや、そういう事か!」



「もう、よもやよもやだ。こんなに鈍いとは。」




少しムスくれてそう言う奏のなんと愛らしいことか…!!
最愛の妻にこんな事を言われては、放ってはおけまい!


「あぁ。眠りたく無いとはそう言う事だったか。不甲斐なし。」


俺は奏の腰をグッと引き寄せ、自分の膝の上に跨らせる。
向かい合った状態で、コツンと額を合わせるとみるみるうちに、茹で蛸のようになる奏。




「…でも、杏寿郎。明日は?」

「朝早い…」


寝坊してしまい許されるような職業では無い。
あぁ、これはどうするべきだろうか。



「寝なきゃよね?でも、どうしてもヤダ。クリスマスプレゼント、欲しい。」


うーん、今はなんだかんだ1時を回った。
目の下に隈を作るわけにもいかない。
しかし、奏からこんなに可愛い我儘を言われては…。


どうする、どちらを取る…。
明日が朝から休みなら何も考える必要ないのだが!!!





「ふふ。大丈夫、ごめんなさい。
我儘ってこれくらいしか浮かばなくて。
でも、寝て良いよ…。明日午後はお休みでしょ?
…その、それからでも…十分時間あるし…。」

「………っ!!!」



もじもじと照れながらそんな事を言う奏に俺の心臓はドキドキと、大きな音を立てる。
今俺はキュンというものを体感しているに違いない。



「あぁ、奏…」


〜♪〜



俺のスマホが鳴る。
こんな時間に?

画面には【溝口】の文字。





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