第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎
えぇ!
何、嬉しいですけど…!
こんな間違い無いかなって心のどこかで思ってましたけど…!
しかも、不死川さんは柄にもなく私の腰元に腕を回して、抱きつくような体勢をとっているのだ。
「やー…、どうしよう。可愛いんですけど…!」
私は思わず声に出してしまう。(もちろん小声)
万が一こんなことを言っているとバレた日には命がないかもしれない。
「不死川様?起きてますか?」
「………。」
一応、ちゃんと眠っていることを確認する。
「私、鬼殺隊に入った理由、貴方なんですよ。
あの日、助けてくれたのが不死川さんだったから、憧れて…恋をして。
この任に指名された時、私嬉しかったです。
でも、もし不死川さんの嫌なところとか見つけたらどうしようって不安もありました。
村田にしか言ってませんが、何か間違いなんかも起きちゃったりしないかなーって思ったくらいです。
そんな大好きな不死川さんに、今こうして寝ぼけているのかもしれないけど、抱きついてもらって、一生の思い出になりました。」
もうこんな機会はないだろう。
寝ているとしても、本人に言ったことには変わらない。
私はそれだけで十分だ。
思いの丈を全部いい終わり、スッキリしている。
「不死川さん、大好き。」
調子に乗って、また言ってみたり。
不死川さんを見てみると、なんだか耳が赤い。
「あれ…?熱かな?」
私がおでこに手を当てようとすると、パシッと手首を掴まれた。
「そういうのは、再会して直ぐに言えェ。」
「し、不死川様…⁉︎」