• テキストサイズ

あなたの…【鬼滅の刃】 短〜中編

第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎




だが、私は想定外すぎて困っている。


…特にやる事がないからだ。



「あの、不死川様、私雑用をしにきたんです。
何なりと言っていただければ…」


「んー…?じゃぁ座ってろォ。」


「え…⁉︎では、掃除!掃除をさせてください!」


「掃除は朝済ませたから必要ねェ。」


「え…えぇ…。」



1日目からこの調子である。
訪ねた時間だって朝と言える時間だ。


それなのにやる事がなく、ただ座っているだけなんて…。



するとスッと立ち上がり、縁側から外へ出る。
そして、徐に木刀を持ち、素振りをし始めた。


さっきまで、少し眠かったのだろう。
いつもの力強い目がウトウトと細められたり、また見開かれたりしていたのだ。

見ていたら怒られるかもと思ったけど、意外と大丈夫だった。



ヒュン、ヒュン…!!と音を立てる木刀。

少し捲られた隊服から覗く腕は、筋肉質でしなやか。
そこに数多く見える傷跡。


不死川さんは稀血だ。
それに稀血の中でも珍しいのだと聞いた。

毎回ではないらしいが、自分の血で誘き寄せ鬼殺をしている。



柱だって人間だ。
どれだけ鍛錬したって、何度傷を負ったって痛いものは痛い。
それなのに、自分で切りつけるとは…。



私はその傷跡を見てキュッと胸が痛んだ。




「西ノ宮…。やるかァ?手合わせ…。」

「え…。良いのですか?」



急に声をかけられ、手合わせをする事になるなんて。







/ 283ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp