第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎
不死川さんが行った向こうでは何やらドタンバタンと音がする。
…これは
『チッ!なんで女なんか寄越しやがった!!
ふざけてんのかァ?あ゛ァ?』
と大暴れしてるのかもしれない。
私は段々と血の気が引いてきた。
帰って他の男性隊士に頼んだ方が良いだろうか。
村田…!!
村田に頼もう…!
「しっ、不死川様!もしご不満でしたら…男性隊士に」
と言いかけた時、
スパン!と襖が開け放たれ、不死川さんが出てきた。
ヤバい…
完全に不機嫌だ。
そう思っていると、
「西ノ宮…」
と名前を呼ばれた。
呼ばれた…
呼ばれた⁉︎
「は、はいっ!」
「今、こっちの部屋を用意したァ。お前はこの部屋を使え。」
そう顎でクイっと部屋を指す。
え、もしかして、私の部屋を割り当ててくれる為にドタンバタンしてたの?
「そ、そんな!部屋をいただくなんて!私はその辺で雑魚寝で…」
「女がその辺で無防備に眠るもんじゃねェ!!」
「は、はいっ、ありがとうございます!!」
そうして、私の1週間が始まった。