第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎
私は鬼殺隊士には珍しく、鬼に家族を殺されたりしていない。
皆元気に過ごしている。
襲われたのは自分自身。
街を歩いていたら、鬼に攫われそうになった。
その時は力なんて無くて、鋭い爪で肩に血が滲んだ。
涎を垂らした化け物に喰べられる…
そう思った時
『風の呼吸 弐ノ型 』
『爪々・科戸風(そうそう・しなとかぜ)』
突風と共に気付けば化け物は消えて、自分は男に抱き抱えられていた。
その男こそ、不死川実弥。
当時は柱ではなかったが、それでも相当に逞しかったのを覚えている。
そして、まんまと恋に落ちたってよくある話。
私は家族を説得して、雷の呼吸の育ての所に行き
偶々呼吸が自分に合っていたのか、メキメキと上達した。
そして、最終選別で生き残り
2年経って今に至る。
因みに村田は私より鬼殺隊としては先輩だが、同じ歳であるため敬語ではない。