第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎
西ノ宮奏。
階級甲。
雷の呼吸の使い手。
先程の話を説明すると、私に下された指令は風柱の雑用係。
元は隠がそれを務めている。
だが、その男性隠が急に妻の出産で郷へと帰ってしまったのだ。
そして、急遽他の隠を…と思ったら皆嫌だと首を振る。
風柱…不死川実弥。
皆が彼を恐れる理由。
それは気性が荒いと噂されているからである。
白灰色の逆立ったような髪。
鋭く血走った双眼。
何より、傷だらけの身体。
柱とて人間である。
だから、機嫌がいい事もあれば、悪いこともある。
そのムシの居所が悪い時に当たると、相手は縮こまってしまい行きたくなくなる…。
そういうことらしい。
そして、決まって言うのが
「恋柱なんてそんなんじゃなかった!!」
「炎柱はそんなんじゃなかった!!」
…風柱の前に行く相手が悪いのよ。
何でよりによって優しい2人のところかな。
蛇柱とか霞柱とかの所行ってこいよ。
そう思えて仕方なかった。
…で。
隠達は住み込みなんて嫌だと首を振るので、隊士に話が来たと言う訳だ。
風柱から直々に
・階級は甲
・料理ができる
・裁縫ができる
・萎縮しない奴
という条件が出されたらしい。
そして、引っかかったのが私って訳。