第20章 可愛いあなた 【不死川】❇︎
「おーい、良かったなぁ!風柱の屋敷に住み込みで1週間!」
村田にそう言われ、私は彼をジトっと湿気を帯びた視線を向ける。
「村田、人の気持ち知りながらよくそういう事言えるわね。優しそうな顔して性格悪いわ。」
はぁ…とため息をつきながら団子を頬張る。
村田は苦笑しながら私の隣に座った。
「まぁまぁ、そう言うなよ。料理が作れて、裁縫もできる。そんでもって、風柱に対抗できるってなったらお前しかいなかったんだからさ。」
「そうですよ。どうせ私が呼ばれた理由なんて都合が良かったからですよー。」
そう不貞腐れている様子を見て、村田はこりゃダメだ…と笑うしかなかった。
「でもまー、何もされないとは思うけど、気をつけろよ。」
「そうね。私にはそんな気起きないと思うけど。でも私的は間違いが起きてくれた方が良いわ!一度くらい夢見てみたい!」
「ブッ…!!そっちじゃねーよ!他の隊士からは目を潰されそうになっただの、殴られただの聞くからだよ!」
「あー、そっち?そっちはやだよー」
呑気に笑って、また団子をモッチモッチと食べる。
(コイツ、大丈夫かな…。生きて帰りますように。)
村田はそう祈った。