第17章 レッツ ポッキー!
コンコン…
「入っていいぞ!」
「失礼…します。」
奏は言われた通り、帰り支度を済ませて社会準備室のドアを叩く。
相変わらず快活な声が返ってくる。
しかし、どうにもこうにも…
(なんで私だけが、呼ばれたのか…それが理解できない!!)
呼ばれたのは奏だけ。
もし、不純異性交流だ!とかで呼ばれたなら、間違いなく玄弥も呼ばれるはずである。
(不死川先生の弟だから⁉︎え?贔屓?特別なの⁉︎)
若干の不満を引き連れて、社会準備室の扉を開ける。
すると、煉獄が窓辺にある机の椅子に腰掛け、くるりとこちらを向いた。
古書などが置いてあるからか、少しだけ埃っぽい香りと煉獄の柔軟剤だろうか、現代のいい香りが入り混じる。
西日に派手な髪色が照らされ、キラキラと綺麗だった。
…て、そうじゃなくて。
「ど、どうして私だけが呼ばれたんでしょう?」
「ふむ。本当ならば担任である悲鳴嶼先生が気を揉むべきだと思うが…。」
「不死川弟と、どうしてああなった?」
やっぱり…、と奏は思った。
「先生、私たち別に襲われたとかそういうんじゃないです。」
「む…。それは、同意の上で…ということか?」
「ち、違くて!事故!事故なんです!」
奏は事の流れを説明した。
煉獄は数回頷いた後、奏の顔を真っ直ぐ見る。
「して!ポッキーゲームとはなんだ!!」
…は?