第2章 鳥籠の鳥 ❇︎ 【煉獄】
…ついに誘ってしまった。
私は正直、煉獄先生に一目惚れしていたんだと思う。
最初は髪色に驚いたけど、その髪も瞳も同じ色で地毛なんだって分かる。
それにとても誠実な性格で、最近は毎朝顔を合わせるようにもなった。
先生の性格なのかもしれないけど、優しく話しかけてくれるし、それに…まさかのカーディガンまで貰ってしまった。
貰った時には気づかなかったけど、カシミヤの柔らかな手触りのものだった。
…こんなの貰ったら…自惚れてしまう。
先生みたいな端正な顔立ちで、背丈もあって、程よい筋肉質で…
それに、性格も良いときたら惚れない女性はいないんじゃないかな…。
もしかしたら、恋人もいるかもしれないけれど…。
お礼するくらい、バチは当たらないよね。
もし、修羅場とかになってしまったらちゃんと謝って、訳を話せば大丈夫。
うん、奏、頑張った!
ピコンッ
アプリの通知が鳴る。
『楽しみにしています。』
あー…
早く土曜日にならないかなぁー…。