第13章 鳥籠の鳥 2 ❇︎ 【煉獄】
先生はまだまだこれから。
私が落ち着くのを待って、腰を打ちつけた。
ゆっくりなのは本当に最初だけ。
あとはもう思うがままに。
私の視界には何度も星屑が飛び散り、本当の景色がどんななのかも分からないくらいだ。
必死に息を吸って、快感に従って喘ぐだけ。
もう何も考えられなかった。
私の足腰が限界を迎え立てなくなると、煉獄先生は私を横抱きにしてベッドへと運んだ。
「この背徳感の中も捨てがたいが、気にせずに奏を感じたい。」
「うん」
互いに衣服を脱ぎ去り、一糸纏わぬ姿になれば、
そこにいるのは煉獄杏寿郎と西ノ宮奏。
「奏、好きだ。愛している。」
「杏寿郎さん、私も。愛してる。」
「危なくあの男に君のこんな姿を晒してしまうところだったぞ?」
「ん…ごめんなさい。」
キスを交わし、今度は何を気にすることなく、何度となく交わった。
香水の匂いと、杏寿郎さんの汗の匂いが混ざり、私の好きな香りはこれだったんだと実感した。
それから激しい律動に、奏は何度も揺さぶられ互いに気の済むまで果てた。
「ちゃんと覚えたか?」
「はい、もう間違えません。」
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いつの間にか午前3時。
もちろん一睡もしていない。
流石に私は何度か気を失いそうになっていたが、間にシャワーを浴びたり、水分補給などして何とか凌いでいた。
「…寝ていないが、仕事は大丈夫か?」
日付は変わって土曜日。
私は通常通り仕事。
杏寿郎さんは部活がある。
「うん…。ずっと触れられなかった寂しいのも埋まったし。
むしろ頑張れそう。」
そう言いながら朦朧とする奏。
「起こしてあげるから少し眠りなさい。」
「杏寿郎さんは?」
「俺も寝る。ただ、時間には起きれるから大丈夫だ。」
「そっ…か…」
言い終わる前に眠りについていった奏。
煉獄はそっと髪を撫でて、額にキスをする。