第13章 鳥籠の鳥 2 ❇︎ 【煉獄】
「それと、うむ、これを借りていこう。」
ロビーにかけられた数々のコスチューム。
そこから杏寿郎さんが選んだのは
「せ、セーラー服…」
誰が着るの?
…私…?
「さぁ、行こうか。」
ニコッと笑う杏寿郎さんに連れられてエレベーターに乗り込む。
そして、先程赤い光で囲われた部屋へと…。
「わぁ…!本当に教室みたい!」
「ここまでとは…些か罪悪感が湧く…」
「や、やっぱりやめておいた方が」
「本気で思っているか…?」
そう聞かれると言葉に詰まる。
だって。ここはそういう場所。
だからすることだって一つ。
「…思ってない…」
ずっと期待していたんだから。
ずっと触ってほしいって。
ずっと抱きしめてほしいって…。
「では、着替えてもらおうか…。」
そう手渡されたのは、セーラー服のコスチューム。
こんなの着たの何年前よ…。
制服の現役なんてとうに10年近く過ぎている。
「…しかも、短いっ!!」
私は部活をしていて服装にも厳しかったので、こんなに短いスカートなんて履いたことがない。
下着も…少し屈めば見えてしまいそうだ。
…というか見えてる!!
「き、杏寿郎さんっ、これはむりですっ!!」
「どれ…見せてみてくれないか…?」