第13章 鳥籠の鳥 2 ❇︎ 【煉獄】
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「あ、あの…杏寿郎さん…。」
「理由ならちゃんと聞こう。俺も話したいことがある。」
そう言われて私の頭には『別れよう』と言われるのでは…と浮かぶ。
「わ、別れるなんて言わないで…!」
そう縋ると驚いた表情の杏寿郎さん。
「そんな話、冗談でもするつもりはない。
君からもそんな話は聞きたくないぞ。」
そして、手を繋がれ向かう先は
男に連れ込まれそうになったホテル。
「まだ混むには早いな…。選び放題だ。」
先生の格好のまま、こんな場所に来てもいいのか?
そんな心配を他所に、どこにしようか…と画面に映し出される部屋を見ている杏寿郎さん。
なんともミスマッチ。
「ほら、奏はどれがいい?」
杏寿郎さんに言われて覗き込むと、シュチュエーションに合わせたような部屋になってて…。
「杏寿郎さん、今この教室みたいな部屋に行ったらリアルですね。」
机が数個と、ベッドが置いてある不思議な部屋。
だが、机と黒板があれば教室の雰囲気が出る。
「しかし、今同伴なのは成人女性。教師と生徒としても問題は無いな?」
「え、やだな…冗談で…」
ピッ。
その不思議な部屋が赤い光で囲われた。
『こちらでよろしければ、決定ボタンを押してください。』
「き、杏寿郎さん…!」
ピッ。
あぁ…!決定が!!!