第13章 鳥籠の鳥 2 ❇︎ 【煉獄】
半年近く、毎晩のように求めあっていれば
自然とそう躾けられていくわけで。
勝手に私の身体は疼いてしまうようになった。
そして、彼はその気分になった時
必ずあの香水をつける。
だから、その香りにも反応してしまう。
(今夜も…しないのかな?)
私の中でそんな気持ちが騒ぎ出す。
きっと彼も疲れているんだ。
何でも期末テストが近いんだとか。
勉強する生徒も大変だが、問題を作る先生もこんなに大変だとは。
杏寿郎さんを見ているとそう思う。
私からしたい…っていえば良いのかもしれないけれど
恥ずかしくて言えないし
断られたらと思うと怖い。
チラリと杏寿郎さんを見ると目を閉じて
すー…すー…と寝息を立てている。
悶々としたまま目を閉じると
時間はかかるものの、仕事の疲れはあるため眠りについた。
これが、セックスレス…の始まりなのだろうか。