第10章 現代鬼殺隊 【竈門】
炭治郎が完全に目を覚ました時には、夢の呼吸の使い手はいなくなっていた。
「…奏…だったよな…。」
炭治郎はポツリと呟く。
「ん…」
炭治郎の後ろの方で声がした。
高校生2人が目を覚ましたようだ。
「大丈夫ですか?」
炭治郎は高校生に駆け寄り、怪我などがないかを確認する。
「だ、大丈夫です。あの…俺たち…」
「今日のことは他言無用でお願いします。」
「…もちろんです…それに、信じてもらえないでしょうし。」
妖の類を見たと言ったところで白い目で見られるだけだろう。
「それが一番だと思います。迎えはきていますか?」
高校生が振り返ると車が2台停まり、母親らしき人物が話している。
「来てる…みたいです。」
「それじゃ、気をつけて帰ってくださいね!
では、俺はこれで!!」
「あっあのっ!!」
高校生に声をかけられ、振り返る炭治郎。
「あれは…なんですか?」
んー…と炭治郎は言葉に詰まる。
そして、にっこり笑って
「悪い夢です。」
と言って、暗闇に消えていった。