第10章 現代鬼殺隊 【竈門】
翌日
「奏!おはよう!!」
炭治郎に声をかけられて、ビクッと肩を跳ねさせる奏。
「た、炭治郎くん。おはよう。」
「昨日は…ありがとう。」
「昨日…?」
「昨日の夜…あのさっ…」
炭治郎が奏の呼吸について話そうとすると
「何のことかな?夜は家にいたけど…。」
「え…?」
「誰かと間違えちゃったかな?それじゃぁね。」
そう言って炭治郎の前から立ち去る奏。
(…戸惑いと不安、知られたくない、関わってほしくない…って匂い…)
「…あれは奏に間違い無いんだけどな…。
何でそんなに寄せ付けないんだろう…。」
炭治郎がポツリと呟くと
「竈門少年、何かあったか?」
炭治郎のすぐ後ろに立つ煉獄。
「煉獄さ…、先生。いや、その…」
奏の匂いから感じとる気持ちを察した時、このことを知らせていいものか悩んだ。
ましてや柱である煉獄に。
「ふむ。鼻の利く君のことだ。何かを知っているんだろう?
しかし、俺も多分だが君の悩んでる内容について気づいている。
西ノ宮奏の本当の姿…のことだろう?」
流石は柱。
炭治郎は自分には煉獄に隠し通せる気がしない。
「…はい。でも…奏は隠していたいみたいで。」
「そうか…。なぜかは分からんが…自分で話してくれるといいのだがな。」
「そうですね。」
炭治郎と煉獄は廊下の先を行く、小さくなった姿を見送った。
〜続く〜